この記事では、山の傾斜面を動線とした電気設備400㎏の搬入の様子と
重量物運搬の専門家である遠藤先生の所感を紹介します。

重量物が耐えられない階段や、雨で地面が滑るなどの状況があると思います。
そういった劣悪な搬入状況での重量物搬入を想定されている方に参考になる内容です。
搬入にいたるまでの段取りと遠藤先生の発想力は必見です!
現地調査
都内から黒いハイエースに乗せられること2時間。
遠藤先生に誘われるがまま現場に到着。


黒服の遠藤先生と二人きりの編集者。
知らない土地で、いきなり密林に誘われる。

酸性雨の影響だろうか、
赤褐色に変色した柵を力でこじ開ける遠藤先生。

腹減った?さっきも煎餅食べていたのに、、、
そして、本当にこんなところで作業があのだろうか。
下っていくと、
そこには樹木が避けるように、不気味なアルミ階段が設置されていた。

一応階段はあるものの湾曲していて、強度はそんなに高くなさそう。
この動線を重量物が通るイメージができない。

階段の先に、フェンスが設置されておりその中に鉄塔が立っていた。
このフェンスの中に新しい設備を搬入するとのこと。

ここで遠藤先生が動く。

先生は黒いハイエースへ戻り、豪快にバックドアを押し上げ、
無言で「大ハンマー」と「鉄パイプ」を取り出す。
こんなぶっそうな道具、大抗争でも使っている人を見た事ない。

パイプの先ってこんな尖るの。。。こんなアタッチメントあるの。。。。

森の中で〇されて埋められて、誰にも見つけられないまま土になるのだろうか。
遠藤先生がハンマーを振りかぶった瞬間、、私は死を覚悟した。
今までありがとう、、


真剣に仕事を進める先生。本当に疑ってしまい申し訳ない。。。。
どうやら、作業の日に使う道具が本当に機能するか確かめたかったようだ。
先生は各動線の寸法をきちんと記録し、当日のシミュレーションを行った。
この鋭利なパイプがどのようになるのか、編集者は想像もつかなかった。
しかし、遠藤先生の頭の中では搬入の9割ほど完成していたとのこと。
こうやって現地調査は無事に終わった。
搬入・搬出作業
搬入日、結構な雨が降った。
雨による作業の影響が懸念されるが、遠藤先生は普段通りおにぎりを3つ食べて「おん、うめぇ。」と一言。

仮設スロープの設置

現場に到着後すぐに、手際よくスロープの設置を始める。
先端の尖った単管を等間隔で斜面に打ち込み、水平方向は単管とクランプで連結する。



雨で地面が緩くなり、資材を運ぶだけでも一苦労の中、作業者全員で協力しながらスロープを作成した。最後に合板を載せてビスで留めてスロープの完成!

遠藤先生は最初からこの画が見えていた。



スロープを作る作業は頻繁ではないものの過去の作業経験から、おおよその見通しが立つとのこと。そしてスロープには様々な工夫が盛り込まれている。
- 単管を垂直に打込み、斜面に沿って水平を作る技術
- スロープの下端と設置場所の床レベルをピッタリ合わせる技術
- 階段があって単管が地面に打ち込めない場所でも荷重を真っすぐ受ける技術
簡単そうに見えるのが、全て遠藤先生の計算。
まさに、プロの仕事!
搬入
今回の搬入物がこれ。

傷がつかないように荷を布で養生し、フォークリフトで荷をステージに載せる。

フォークリフトと荷を太いワイヤーで繋ぎ、フォークリフトをアンカー(おもり)とする。
そして、チルホール(手動ウィンチ)を使って、ゆっくり確実に降ろしていく。








心配された雨は関係なく、遠藤先生は安全に作業を終えた。
搬出
1週間後。
晴れた日に、既存設備の搬出も行われた。






こんなに緑いっぱいの環境で作業することはあまりない。

荷の移動距離がある為これが結構しんどい。
なんとレバー1往復でワイヤーは7㎝しか動かないとのこと。
荷の移動距離を9mとするとレバー約130往復という計算になる。

作業の後
作業終了後、先生はコンビニに向かった。


この日のおやつはプッチンプリンだった。

こういった繊細なプリンへのこだわりが、繊細な重量物運搬の段取りに繋がっている。
そう、願いたい。
最後までご覧頂きありがとうございます。
遠藤先生が得意とする「重量物の階段運搬・狭所での搬入」や「フォークリフトのオペレーター付きレンタル」などの過去の実績はこちらからご覧頂けます。ご興味があればぜひ覗いてみて下さい。