この記事にたどり着いた方は、
- 荷揚げを依頼したい
- どの荷揚げ屋が良いか検討中
- 荷揚げ屋がつかまらない
という方だと思います。
なんとなく、昔からの風習で荷揚げ屋を使っている方が多いと思います。
でも、本当は何を基準に選べばよいかよく分からないのではないでしょうか。
この記事は「揚重工事費・材料運搬費」を大切に使いたい専門工事業者さまへ向けて
- 荷揚げ屋を選ぶポイント
- 荷揚げの質
- 荷揚げ屋を使うメリット・デメリット
について書いています。
荷揚げ歴20年以上のケイ・マックスが
荷揚げ屋に依頼するときに参考になるちょっとマニアックな情報をご紹介します。
少し長いので、目次から気になる部分を拾い読みしてください。
荷揚げ屋を選ぶポイント
荷揚げの価値は「指定された場所へ、安全に建材を運んでくれる点」です。
ですが、不本意に余計な追加請求を受けてしまったり、職人さん等へ迷惑を掛けてしまっては本末転倒です。
そうならない為に以下にポイントを紹介します。
以下の表の例を参考に、各社を比較してみるとお客様にとってピッタリの荷揚げ屋が見つかるでしょう。よろしければご利用してみてください。
( 例 ) | A社 | B社 | C社 | |
料金 | ○○円 | |||
安全対策 | ◎ | |||
手配力 | △ | |||
事故対応・保証 | 〇 | |||
得意な資材 | 床 | |||
書類・提出物 | 〇 | |||
サービス内容 | 交通費別 | |||
総評 | 〇 |
絶対に外せない3つのポイント
荷揚げ屋選ぶ基準を3つに絞るのであれば、
「料金」「安全対策」「手配力」の3点は外せません。
「料金」と「荷揚げの価値」を天秤に掛けて、依頼をするかどうか決めると思います。
荷揚げの価値の中でも「安全に運ぶこと」と「安定して荷揚げ屋を依頼できること」は重視される点です。

お客様が荷揚げ屋へ求めるものや予算によって、この天秤の均衡は変化します。
料金
お金は企業の血液です。
できるだけ揚重費を抑え、サラサラ血液にしたいところだと思います。
ただ、料金だけで荷揚げ屋の良し悪しは判断できません。
安全対策や依頼のし易さなど、総合的に判断してお客様にとっての適切な価格が決まるはずです。
また、各社で料金体系は様々です。
「ハーフ、中ハーフ、終日」「シングル、フル」「2,3,4,5,7時間」「夜間割り増し」「力作業有無」など、オプションも含めて様々です。(お客様、オプションはお好きですか?)
料金は公表している荷揚げ屋もありますが、ほとんどの荷揚げ屋は実際の物量や状況によってすぐには料金を出せないため公開していません。料金は実際にお問い合わせ・お見積もりしてみるとよいでしょう。
安全対策
「安全」は最も重要な要素のうちの一つです。
せっかく搬入したのに、対象物がボロボロになっていては、施工できません。
「ケガや事故などで、現場を止めてしまう」という最悪の事態は避けたいですよね。
安全対策は各社のホームページに取り組みが書かれています。
また、現場に行ける番頭さんは、現場の荷揚げ屋の服装や行動に着目すると確実です。
安全対策は現場の作業員の服装や行動・言動に現れます。
手配力
依頼したいときに、荷揚げ屋がつかまらないのであれば意味がありません。
急に搬入予定が入って手配してくれる荷揚げ屋は魅力的ではないでしょうか。
所属している荷揚げ屋の人数や事業規模が参考になると思います。
安定性と急な搬入に対応できる手配力は荷揚げ屋を選ぶ上でのポイントです。
その他 4つのチェックポイント
事故時の初期対応や保証はちゃんとしているか
物損などの可能性がある事業なので、然るべき保険に加入しているのが当たり前と思われるかもしれませんが、中には稀に加入していない業者もいらっしゃいます。
心配であれば、事前に聞いてみるとよいでしょう。
聞きづらい内容ではありますが「失礼ですが、どちらの保険に加入されていますか?」と、柔らかく聞いてみると角が立たないでしょう。
普段扱っている資材
一口に荷揚げ屋と言っても、得意分野があります。
例えば、弊社は「内装・外装材、パーテーション・間仕切り、住宅設備、地下鉄工事、変圧器等の中重量物」を専門にしています。瓦屋さんやガラス屋さんの搬入はありません。
各社の搬入実績やアピールポイントを見ると分かります。
書類や提出物
ゼネコンさんの下に入って施工される専門工事業者さんは特に、安全書類と接する頻度は多いと思います。グリーンサイト、紙やエクセルデータなどのやり取りはきちんとできるかは荷揚げ屋選びでも大切なポイントです。
例えば、荷揚げ屋の過失で事故が起きて、安全書類がちゃんとしていなかった場合を考えてみます。お客様がゼネコンの一次下請けで、荷揚げ屋が再下請で2次下請とします。
元請け・親会社は、元請けの立場として安全に配慮していたか責任をとわれ、その証拠を求められます。その証拠となるのが、労務安全書類です。
もし、安全に2次下請を管理していた証拠として労務安全書類がないと、1次下請・事業主・元請けの責任の度合いが大きくなります。
そうならない為にも、労務安全書類の適正な提出は荷揚げ屋選びでも大切な要素です。
サービスの具体的な内容
同じような料金でも、微妙に各社でサービス内容が異なります。
例えば、「7時間」という同じサービス名でも、各荷揚げ屋によって微妙に違っています。
「休憩時間1時間を含むか含まないか」「搬入後の手元作業の有無」「交通費の有無」などによっても違います。
事前にお問い合わせしてみると良いでしょう。
よくあるお客様の要望
「資材を運ぶ」というシンプルなサービスですが、実はお客様の要望は多様です。
お客様自身でも気付いていないに隠れた要望があるかもしれません。
以下のお客様からの荷揚げ屋へ対する要望の一覧です。
- とにかく一日中いて欲しい、搬入後の手元作業もしてほしい
- 安価で力持ちをとにかく沢山集めて欲しい
- 全国どこでもにでも搬入についてきて欲しい
- 高価でも確実・安全に荷揚げをしてくれて、物損や労災が起きてもきっちり対応し、元請けとの関係性を保ちたい
- 依頼時には無かったが、現場でのスポットの作業も手伝って欲しい
- 現場に担当は行けないが、事故なく、指定の場へ搬入し、戸締りまでして欲しい
- 安全書類等の提出物を不備なく迅速に提出して欲しい
- 慣れた資材を運んでいる荷揚げ屋に頼みたい・実績を重視したい
- 背中から柔軟剤の良い香りがする。その人が移動しても、香りの余韻を楽しみたい。
このように「荷揚げ屋を依頼したい」という要望の中にも小さな差異があります。
お客様が荷揚げ屋に対して、求めることを明確化し、各荷揚げ屋の評判を探ってみるとよいでしょう。

もしかすると、
「格安で、安全に対する意識が高くて、労務安全書類もちゃんとしていて、どこにでも来てくれて、有事の対応も手厚く、ちょっといい匂いで、教育もしっかりしている荷揚げ屋が良い!」
というお客様もいらっしゃるかもしれません。
それは、
「かわいくて、綺麗で、小悪魔で、清楚で、おてんばで、華奢で、器用で、イケイケで、素直で、気が利いて、しっかり者で、まじめで、一生懸命で、関西弁ではんなりしちゃって、いつも笑顔な嫁が欲しい」
と言っている様なものです
(そんな人いるわけないですよね。もしいたら、ぜひケイ・マックス広報までお問い合わせ下さい)。
気持ちは十分理解できますが、「清楚」と「小悪魔」が両立しないように、
荷揚げ屋も「料金の安さ」と「遠方の無料対応」は両立しません。
「外の評価」や「会社がどうみられるか」は気にせず、自社にピッタリマッチした荷揚げ屋が1社あれば、それだけで十分ではないでしょうか。
各荷揚げ屋のホームページを参考にされたり、お問い合わせ等をしてみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ケイ・マックスの荷揚げへの取り組みは以下より確認できます。
荷揚げ屋の質は料金だけでは決まらない

「荷揚げ屋の質」は「会社が作業員に対して提供できる価値」×「作業員本人の意識」だと思います。
会社が提供できる価値は「質の高い安全管理」「技術、知識面の教育」「待遇面(勤続期間の長期化)」です。
後は、作業員自身の向上心などの意識がどれだけ高いかによります。
もちろん、個人のモチベーションや技術はある程度教育でカバーできます。
しかし、最終的に実働する本人にどれだけ浸透しているかは、現場に出てみないとわかりません。
以上のことから、料金だけでは荷揚げ屋の質は判断できません。
安くてよい荷揚げ屋は少ないがいる
「できるだけ安く質の良い荷揚げ屋さんに依頼したい」
という願いは専門工事業者さまの一生のテーマだと思います。
少数精鋭の荷揚げ屋はいますが、沢山の依頼を受けきれない傾向があります。
少ないお客さんを囲い込んでおり仕事がいっぱいの為なかなか捕まりにくく、お客さんからの依頼を受けきれないというデメリットもあります。
一般的に、安く荷揚げを依頼できるということは、
- 作業員さんへのお給料が低い・低賃金(長続きしにくい、ベテランが育ちにくい)
- 安全面に掛けられる費用(教育、安全保護具の支給)が低い
ということです。
余りにも格安の荷揚げ屋さんがいたら、「安全面」や「ベテラン作業員の有無」は気にしておくとよいでしょう。
荷揚げ屋を依頼する4つのメリット
荷揚げを依頼するメリットを言語化しておくことにより、
番頭さんや上長へ提案が通りやすくなります。
また、お客様自身も納得して荷揚げを頼めるのではないでしょうか。
荷揚げを依頼するメリットは「職人さんの生産性が上がる」ことです。
具体的に生産性が上がるとは以下のようなことを指します。
- 職人が搬入によって疲れない為作業がいつもよりも進む
- 施工するときに、施工する順番で材料が置かれているので、材料を探す手間が省ける。
- 職人さんが施工に集中できるので、より専門性を高められる
- 工期に余裕が出て、営業活動や教育などへ時間を回すことができる
職人さんの肉体・精神的な負担が減り、余裕ができ自分の持ち場に集中する事ができます。
荷揚げ屋を依頼する3つのデメリット
荷揚げを依頼するデメリットにも触れておきます。
料金がかかる
当たり前ですが、荷揚げには料金が掛かります。材料運搬費や、揚重費が掛かります。「自社で搬入する労力」と「料金」を天秤に掛けて、安いと思えなければ負担になるでしょう。ただ、2020年現在では、建設現場で見ない日はないくらい「荷揚げ」は当たり前の業種となっており、沢山の専門業者が荷揚げ屋を活用しています。
質の低い荷揚げ屋を頼むと、効率が悪くなることもある
材料や施工の知識がない荷揚げ屋に頼むと、材料の破損による再発注や、置き直しなどの手間がかかることもあります。「せっかく荷揚げ頼んだのに、結局自分で動かすんじゃ意味ねぇな」となっては、ストレスで職人さんの施工に影響が出るでしょう。
職人さんの早い帰宅で、なぜか妻が不満そう

荷揚げ屋を頼むと、職人さんは搬入がないので、いつもよりも早く帰れることもあるでしょう。いつもより早く帰ると、奥様がボソッと「あら、もっとゆっくり帰ってきたらいいのに」と意味深にぼやくかもしれません。職人さん、泣かないでください。。荷揚げ屋は悲しみの搬出も行いますよ!
弊社の荷揚げにより奥様のご機嫌や、夫婦関係に影響を与える可能性も0ではありません。荷揚げ屋がキッチリしているばっかりに。。。
職人さんだけに、建設的な議論で解決してください。
荷揚げ屋を依頼するときのまとめ
- 荷揚げ屋にも特色がある
- お客様が荷揚げ屋に求めるものを明確化する
- 荷揚げ屋の「質」=「料金」ではなない
- 荷揚げの質は「安全管理」「教育の質」「作業員の働きに応える給料」で決まる。
- 荷揚げを頼むと、職人さんの業務効率が上がり、工期に余裕ができる
- 荷揚げ屋を依頼するデメリットは「質が悪い荷揚げ屋を頼むと、効率が落ちる」
最後にもう一つ。
荷揚げ屋がどれだけ材料への愛着を持っているか見分ける簡単な方法をご紹介します。
ベテランの荷揚げ屋は「Cチャン(C型鋼)」を敬意をこめて「Cさん」と呼ぶそうです。
後輩荷揚げ屋が「Cチャン何束ですか?」と言うとと「C”さん”だろっ」と怒るそうです。
職人さんがCチャンを持って、「これの名前はなんですか?」と聞いてみると、荷揚げ屋の材料への敬意が分かるかもしれません。(わかるかっ!)
荷揚げ屋に依頼する際の参考になりましたか?
よろしければ、ケイ・マックスの荷揚げについてもっともっと知って下さい↓