「荷揚げ」は2つの意味があります。
1つ目は建設現場において重量物の搬出入を行う仕事です。
別名は、荷揚げ屋、荷上げ、揚重、揚重業、揚重工、搬入屋です。
2つ目は、船と陸との間において荷物の積み降ろしを行う港湾業務を指します。
別名は、陸揚げ、港湾荷役、沖仲仕(おきなかせ、おきなかし)です。
この記事では、”建設業”の荷揚げについて解説します。
荷揚げとは
荷揚げは建設現場における建築資材の搬出入を行う作業です。
「揚重」「荷揚げ屋」「揚重工」と呼ばれることもあります。
クレーンやフォークリフト等の機械が入り込めない建物等へ
人力で指定された置き場まで運びます。
運ぶ建設資材は「重量物」や「仕上げ材」がメインです。
資材は重量物や高価なものかつ、物量が多く運搬には要領の良さ・繊細さ・パワーが求められます。
荷揚げは1990年頃にできた職種と言われています。
荷揚げという職種ができる以前は、施工する職人が材料の搬入を行っていました。
建設業界の人材不足・高齢化に伴う職人の作業負担が増えたことから、搬入の需要が増えました。
「搬入」と「施工」を分業した方が経済性の高いことから、現在では欠かせない存在となりました。
現場の環境によりますが、
壁紙・床等の傷や汚れ、資材の破損、諸々の安全に細心の注意を払います。
職人の資材運搬による施工効率の低下防止、安全確保のためのコスト削減等の価値があることから「荷揚げ・揚重」という搬出入に特化した職業があります。
「荷揚げ・揚重工事」は建設業法上の業種区分29種類には入っていません。
荷揚げが関わる工事一覧
荷揚げ屋が関わる工事には以下のようなものがあります。
内装仕上げ工事
(壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事)
建具工事
(金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事)
建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置
搬入する材料一覧
荷揚げは主に以下のような材料を搬入します。
- 石膏ボード
- 壁・天井の下地(軽量鉄骨材、木材)
- 床材(パーティクルボード、フローリング、タイル、シート、合板)
- 建具(パーテーション、スチール枠、シャッター、枠材)
- 住宅設備(キッチン、トイレ、什器、ユニットバス、室外機)
- 砂・セメント
- 外壁(ALC、アスロック、サイディング)
企業によっては、中重量、超重量の機器の搬入を行います。
荷揚げ屋が持っておくとよい資格一覧
荷揚げをする上で持っておく良い資格は以下の通りです。
- 玉掛け技能講習(吊り能力の1トン以上のクレーン等に対応できる)
- フォークリフト運転技能講習(最大荷重が1トン以上)
- 安全衛生責任者
- 職長教育
- 建設用リフトの運転の業務に係る特別教育
- 高所作業車の運転の業務に係る特別教育
- 小型移動式クレーン運転技能講習(つり上げ荷重1トン以上5トン未満のもの)
- 巻上げ機の運転の業務に係る特別教育(ウインチ)
搬入の例
荷揚げの搬入方法は多岐に渡ります。
現場の環境等により最善の搬入方法を選択します。
手運び
手運びの際は、資材の形状や特性を理解した上で、最適な持ち方、一度に運べる物量、導線の選択をします。
玉掛け
オペレータとの綿密な打ち合わせの下、有資格者が荷揚げを行います。
資材の特性に合わせた吊り方を選びバランスを取ります。
クレーンの能力、安全面、搬入場所等を考慮し、適切な位置に降ろします。
エレベータによる搬入
エレベータの最大積載量や、エレベータ内の傷や汚れを付けないよう配慮します。
階段揚げ
クレーンやエレベータが使えない状況では、外部階段を使った搬入を行います。
仕上げ材の為、材料の表面や角の破損や傷に気を付けます。
フォークリフト
フォークリフトを使った搬入も揚重作業に含まれます。
まとめ
荷揚げとは
- 建設現場で建設資材の搬出入を専門に行う仕事
- 荷揚げ屋を頼むことにより「安全確保の為のコスト削減」「職人の施工効率アップ」のメリットがある。
- 搬入する資材は「重い」または「高価」
- 内装工事、建具工事に関わることが多い
- 建設業29種に含まれていない
- 搬入方法はたくさんある。
いかがでしょうか。
荷揚げについて理解が深まったのではないでしょうか。
ケイ・マックスは20年以上現場で荷揚げを行ってきました。
ご不明な点等あれば、お問い合わせいただけると幸いです。