荷揚げのコツは全体像を把握することから

荷揚げを安全に速く楽に終らせるコツを知りたいですか?
この記事で言う”荷揚げのコツ”とは

搬入の全体像を知り、先手先手で段取りを行うこと

この一言に尽きます。

コツというと、裏技の様なことを想像されるかもしれませんが、荷揚げに近道はありません。
「確実に一つ一つの工程を終わらせていくこと」が、
一番の「荷揚げのコツ」です。

なんか、校長先生っぽかったですね。

えー、皆さんが静かになるまで31分23秒かかりました。

続けましょう。

当社は関東において20年以上、荷揚げ・資材搬入を行ってきました。
荷揚げ屋さんはもちろん、

  • 自社で材料を搬入されている職人さん
  • 荷受けをする現場監督さん 等々

この記事を参考に搬入効率を上げていただけたら幸いです。

荷揚げのコツ・全体像を把握する

マーク・スミス校長だ。私の全体像もあなたに知って欲しい。

「荷揚げ・搬入」を効率的に終了させるには、全体像を知ることが必要です。
全体像を知り、先の工程を見据えて行動することによって、搬入を効率的にできます。また、全てのタスクを把握し、漏れなく確実に実行することで、後戻りの手間が無くなります。

以下 12の手順に分けました。

  1. 入場
  2. 打合せ
  3. 搬入経路確認
  4. 搬入動線・仮置きスペースの確保
  5. トラック誘導
  6. 仮置き
  7. 搬入前準備
  8. 搬入・間配り
  9. 間配り確認
  10. 開梱・片づけ
  11. 復旧
  12. 終了の挨拶

現場の規模や運ぶ材料によっても変わりますので、状況に合わせて対応する必要があります。

1.入場

天候に恵まれ、絶好の荷揚げ日和となりました。
起きた瞬間から荷揚げは始まっています。
朝食を食べて、メイクをするタイプの荷揚げ屋さんは済ませておきましょう。

現場への入場は荷揚げの第一歩です。

  • ヘルメットのあごひも
  • 安全靴
  • 安全帯
  • 長袖、長ズボンの着用

入場前に確認し、朝礼・新規・KY活動を終わらせます。

朝礼中に犬が入って来ても頑張って無視しましょう。

朝礼の挨拶はつい力が入って長くなりがち。入場から荷揚げは始まっている。

2.打合せ

打合せの内容は以下のとおりです。

  • 搬入物の数量
  • トラックの台数、到着時間
  • 揚げる順番
  • 揚げ方
  • 搬入経路
  • 仮置きスペース・置き場・置き方
  • 搬入で出たゴミの捨て場・ゴミの分別

依頼を受けたときと、現場の状況が変化していることもあります。
また、トラックが1台と思っていたら2台だったということもあります。
当日になり搬入と工事がバッティングすることもあります。
ケンカはやめて話し合いましょう。そのための打合せです。

現場の状況について、お客様としっかり打合せが必要です。

3.搬入経路確認

トラックから置き場までの経路を確認します。
障害物や他業者の作業がないか確認します。
危険ポイント(注意箇所)を確認し共有します。

段差、突起物、狭い箇所、左官・石工事中の箇所などを事前に確認しておきます。
また、壁が仕上がっている場合は、事前に壁の傷等がないか確認しておきます。

4.搬入動線と仮置きスペースの確保

搬入経路上の障害物となるモノの移動・除去・養生を行います。
ビスや角材等、踏むと転倒する恐れがあるものは事前に除去しておきます。

また、仮置きスペースを確保しておきます。
濡れてはいけない資材等は、雨や水たまりを避けます。

5.トラック誘導

5時間目はトラック誘導だ!次の工程を把握しておかないと、意外とトラック誘導は難しいぞ。

トラックを着ける位置も荷揚げのコツの一つです。
トラックにも種類があります。

  • 平ボディー
  • 箱型
  • ユニック車
  • パワーゲート車 

トラックの形状を確認し、資材の取りだし位置を確認します。
合積みの場合はどこに対象の資材が乗っているのか運転手へ確認します。

次の工程を簡単にするために適切な「向き」や「停止位置」をトラック運転手さんへ伝え、誘導します。

トラックの荷台の高さを活かして高所へ搬入することもあるので、どうやって目的地まで材料を運ぶのか考えておくとよいでしょう。

6.仮置き

仮置きする場合としない場合があります。

先にトラックを逃がすために仮置きをすることもあります。
トラックの運転手は、定刻に資材を届ける義務があり、
1日に複数現場回る為、優先してトラックを逃がすこともあります。

仮置きする際のポイントは以下のとおりです。

  • 他の職人さんの施工や通行の邪魔にならない位置に置く
  • また、搬入・間配りし易いように、部屋や階数毎に分けると効率的
  • 板物は角度を付けて置くと倒れにくい(風の強い日は普段よりも角度を付けて置くか寝かせる)
  • 長物は建物の角か平置きにし左右に倒れないようにします。

7.搬入前準備

必要であれば、以下のように荷姿を整え、搬入に備えます。

  • 資材の化粧面の養生・保護
  • 対象物が大きすぎて通らない場合の開梱
  • 分解による軽量化・小分け

材料の保護と扱いを簡単にする形状に整え、搬入しやすくします。

8.搬入・間配り

搬入時の注意事項は、搬入するモノによって変わります。
以下、搬入全般に共通することです。

  • 死角がある際は声かけをして周囲に知らせる
  • 2人以上で運ぶ際は互いに声かけをする
  • 枠やサッシにぶつけないよう気を付ける
  • 化粧面、角などの保護対象を認識しておく
搬入・間配りは踏ん張りどころだ。「つらい時こそ笑おう」はマーク家の家訓だ!

9.間配り後の確認

  • 数量
  • 種類
  • 置き場
  • 置き方
  • 並び順

間違いがないように確認・調整します。

10.開梱・片づけ

住宅設備や建具等などは指示により開梱します。
開梱で出たゴミは、
ゴミの分別(段ボール、ビニール、木材、金属等)を行います。

左腕を少しだけ浮かすとオフィシャル感を出せる。

11.復旧

搬入時に移動したものや、変更した足場等を元の状態に復旧します。
職人さんに借りたカッターや、ラチェットレンチも忘れずに返却しましょう。

12.終了の挨拶

荷揚げにおいて「一番のコツ」は「終了の挨拶」かもしれません。
また、校長先生みたいなことを言ってしまいました。

「次もあなたにお願いしたい」

と言われるような素敵な笑顔で挨拶ができれば、
あなたを信頼して次回も荷揚げを頼まれるでしょう。

荷揚げの全体像、まとめの挨拶

荷揚げのコツ
今日はマイクないので地声ですけど、いいですか。現場が終われば、パチンコ・スロット等には行かず、帰りましょう。おほんっ、えー家に帰るまで!荷揚げです。(太字部は少し大声で言っています。)えー、「全然勉強していない」と言っている人に限って成績が良いものです。荷揚げも一緒です。肉体労働している人ほど勉強熱心だったり、しっかり考えているものです。今一度に家に帰って、自分の中で、おい!犬は今、気にする必要あるかぁ?いいか、おい聞け。えー、自分の中で、ベストな搬入とは何か親御さんと一緒に考えてみてください。以上っ。

「どの方法」「どの経路」が「安全」で「効率的か」を常に考え続けることが荷揚げのコツを掴む第一歩ではないでしょうか。

材料や、環境によって搬入の環境は変わります。
荷揚げを一度細かく分解して、効率化できることはないかご自身でも考えてみてください。

この記事を読んで荷揚げのコツをつかみ、安全で効率的な搬入を考えるきっかけになれば幸いです。

参考資料:職場における腰痛予防対策指針
Photo by Mark Smith on Unsplash