【令和時代】最強の荷揚げ屋の定義

最強

それは、

「一番強いこと」「誰にも負けないこと」です。

この記事にたどり着いた方は、恐らく

  • 最強の荷揚げ屋になりたい
  • 最強の荷揚げ屋とは何か知りたい

という人だと思います。

そういう方にあえて

「2位じゃだめなんでしょうか?」

と短髪眼力でスタイリッシュに言い放ちたいです。

では総理、「荷揚げ」でいう「強さ」とは何でしょうか?
この記事では、「荷揚げの強さ」について、仕分けしていきたいと思います。

荷揚げ・揚重業界は30年前から、革新的な変化はありません。
「IT革命やAIだ」と言われている時代で、割と原始的な方法で人間の手で搬入を行っています。

「重量物を持つ」だけであれば、荷揚げ屋はロボットに勝てません。

機械よりも未だ人間の方が経済的という分野が荷揚げです。

人間の生産性を上げるためにも「最強の荷揚げ」とは何か考えてみます。

荷揚げの「強さ」とは?

「荷揚げ」の強さを9つに分解して考えてみます。
強さと言っても、肉体的なものと、精神的なもの、技術的なものがありますよね。

バランスよく、高い水準の能力を兼ね備えた者が最強の荷揚げ屋

何か一つが飛びぬけているだけでは不十分です。
全ての要素を網羅的に極めた荷揚げ屋こそ最強の荷揚げ屋ではないかと考えます。
もしかすると、

「モラルやチームワークを競っている時点で、場の空気を乱しているぞ」

とおっしゃる方もいるかもしれませんね。

ぐぬぬ、、確かに。

でもですよ。別に2位でもいいんですよ。
いいんですが、「2位を取るつもりで戦っている人」が、「1位を目指して結果的に2位になった人」に敵うわけないです。
「モラルでもチームワークでもトップレベルになろうよ」という意識の問題ですよね。意識すらしていないのに、トップを目指している人に敵うはずがないですよ。
すみません、、、取り乱しました。話をもどしていいですか?(笑)

以降で、1つずつ荷揚げの強さをみていきます。

パワー・スタミナ・耐力

筋力的な強さは、荷揚げの基礎的な部分です。
約140㎏程度の石膏ボードを持って、移動する荷揚げ屋さんもYoutube上にいらっしゃいます。和名が「赤いじごのす」という方です。

荷揚げ屋の役割の一つに「職人さんの肉体的な負担を減らす」ということがあります。沢山持てるということは、高い価値を提供しているということになります。

そういった観点から、パワーがあるということは、職人さんに貢献できるということになります。

最強の荷揚げ屋の第一歩は「パワー」です。
あくまでパワーは、最強の荷揚げ屋に必要な条件の一つです。

終日作業もあるため、荷揚げ屋はスタミナも求められます。
また、絶対に離してはいけない状況等もあるため、限界に近い状態を耐える力も求められます。

効率(段取り)

最強の荷揚げ屋は、段取りが異次元です。
最も安全で効率的な1本のルートを瞬時に見つけ出します。

荷揚げの効率はちょっとした工夫で大きく向上します。
例えば段取りが良い荷揚げ屋は

「もし短管1本とラチェットがここにあれば」
「もし溝を埋められれば台車に載せたまま一発で行ける」

といった、小さな改善点を見つける想像力があります。

最強の荷揚げ屋は一歩現場に足を踏み入れると「効率」のことで頭がいっぱいです。
搬入を少しでも効率よくしようとする意識が尋常ではありません。

また、「搬入全体の効率を上げること」も最強の荷揚げ屋の要素の一つです。
作業員の技量に応じた「指示だし」や「注意や警告」も適切なタイミングで行います。

安全管理

荷揚げの安全管理は「人身事故」と「物損事故」の2つを防止することです。

動線上の障害物や危険ポイントを確認し、未然に事故を防ぎます。

いくらパワーがあっても、ケガをしたり、モノを壊してしまうと荷揚げが台無しです。

自分の安全はもちろんのこと、他の作業員の安全まで把握し、指導する力が求められます。

建築の知識

最強の荷揚げ屋は、建材や施工の知識も豊富です。

独身の荷揚げ屋はシングルバーよりダブルバーの方が好きです。
理由は、独身にとって「シングル」と名の付く材料は敵だからです。
クリスマスは「シングルバー」「シングルクリップ」は意識しないように搬入します。忘れたいことほど頭に残るように、自分がシングルであることを強く意識してしまいます。

施工の方法、順番、注意点を知っているため、材料の置き場、置き方を知っています。そして材料がどこで使われ、どのくらいの数量が必要か概算できます。

そのため、お客様が考えている以上の提案をすることができ、信頼を獲得しています。

建材知識

モラル 倫理観を持っている

最強の荷揚げ屋は「モラル」があります。
モラルとは「道徳・倫理・善悪の判断基準」の意味です。

現場では特に、モラルが求められます。

破天荒に見えがちな建設現場の作業員ですが、長く続けている人ほど謙虚な人が多いです。「実るほど頭を垂れる揚重屋」という詩人の言葉があります。正確には、右手でボードを持ちすぎて右肩が垂れています。はい。

例えば、導線上に他業種の方が作業していたときに

「左官屋さん、どいてください」ではなく
「そこのワイルドイケメンの左官屋さん、チョットだけ通ってもいいですか?」

と聞きます。左官屋さんは何十代でもイケイケなんですよ。
お願いする態度やその後の関係まで見据えてお互いに気持ちよく仕事を行います。
このように、他の業者さんの事まで配慮する余裕があるモラリストです。

一見、荷揚げ屋とモラルは関係なさそうですが、
元請け会社や現場監督は、人間性やモラルを見ています。
横暴な態度や行動によって信用と仕事を失う為、最強の荷揚げ屋は良識があります。

お客さんありきで荷揚げ屋が成り立っていることを熟知しています。

チームワーク

荷揚げは複数人で行うことも多いです。
作業員全員が共通の認識を持っておかないと搬入は完了しません。
即席で初対面の人とチームを組むこともあります。初対面の人でも、相手がどういう人間か知り技量に合わせて対応していかなければいけません。

協調性を持ち、全員が同じ方向を向くように動くこともチームワークです。
最強の荷揚げ屋になるにはチームワークも大切な要素です。

最強の荷揚げ屋は、
トラック運転手さんへの「感謝の気持ち」を「缶コーヒー」へ変換する力を持っています。良くも悪くも、トラックの運ちゃんもチームの一員じゃないですか!

周囲との繋がりを大切にし、感謝も忘れません。

リーダーシップ

荷揚げは複数人で行うことが多いです。
最強の荷揚げ屋は、元気のいい作業員達をまとめ上げます。

個々人が最大限の力を発揮できるよう、チーム全体を導きます。

段取り以外に作業員のメンタルケアにも励みます。
モチベーションが下がっていれば、飲み物を与えたり、飲みに誘ったりして励ますこともあります。

不安全行動があければ、厳しく言うこともます。
「危ないこと」や「やってはいけないこと」をきちんと理解させる力も
最強の荷揚げ屋には備わっているはずです。

最強の荷揚げ屋 まとめ

荷揚げはパワーやテクニックが全てと思われがちです。
パワー・テクニックは確かに大切ですが、
「繊細な人付き合い」や「人間性」も重要です。
最強の荷揚げ屋は意外と繊細なんです。

  • めちゃくちゃ運べる
  • 技術・知識がある
  • 人当たりが良い

これら単体の能力が高いだけでは不十分で「”最強”の荷揚げ屋」とは言えないでしょう。
全体をバランスよく、平均的に高い要素を持った荷揚げ屋が最強という話でした。

経営者が考える「最強の荷揚げ屋」と、
作業員が考える「最強の荷揚げ屋」は乖離があるでしょう。
どちらかと言うと、この記事は経営側に寄っているかもしれませんのでご了承ください。

建設業界の人材不足に対応する為にも、1人当たりの生産性を上げる必要があります。ロボットにも負けない「最強の荷揚げ屋」になる為に、参考になれば幸いです。